
レポート
アジア太平洋地域のホテルの持続可能性動向2020
アジア太平洋サステイナビリティ・トレンド2020」レポートは、アジア太平洋地域16カ国のホテル業界におけるサステイナビリティの実践を詳細に検証している。COVID-19の大流行がもたらした課題にもかかわらず、本レポートは、エネルギー使用、節水、環境に優しい慣行の採用など、ホテル運営のさまざまな側面で持続可能性を改善するための継続的な取り組みを反映している。
重要な洞察
COVID-19が持続可能性への取り組みに与える影響:
- パンデミックはホスピタリティ業界に大きな影響を与え、オペレーションの縮小と資源消費の減少につながった。しかし、この危機が持続可能性の傾向を覆すことはなく、多くのホテルが環境に優しい慣行へのコミットメントを維持した。
エネルギーと水の使用動向:
- 韓国、日本、インドネシアを含む数カ国は、2019年にすべてのホテルタイプで1平方メートル当たりのエネルギー使用量が前年より減少したと報告した。
- インド、韓国、シンガポールなどの国々では、2018年以降、客室1室あたりの水使用量を継続的に削減している。
コスト管理:
- 報告書では、パンデミック(世界的大流行)がもたらした課題にもかかわらず、エネルギーコストの削減に成功した国があることを紹介している。例えば、インドネシアとシンガポールは、長年にわたり一貫して1平方メートルあたりのエネルギーコストを削減し、効果的なエネルギー管理を実践している。
一般的な持続可能性の実践の採用:
- 水やエネルギーのトラッキングのようなプラクティスでは高い導入率が観察され、この地域のホテルの97%以上が定期的に消費量をトラッキングしている。
- そのほか、予防保全プログラム(96%の導入率)や、75%以上の室内スペースでLED照明を使用(86%の導入率)なども普及している。
課題と機会:
- 一般的なプラクティスは広く採用されているが、より高度な持続可能性プラクティスについては、まだ改善の余地があると報告書は指摘している。例えば、再生可能エネルギー発電を導入したり、カーボンオフセットを購入しているホテルはごく一部に過ぎない。
本レポートは、アジア太平洋地域のホテルにとって重要なベンチマークとなり、持続可能性の進捗状況を測定し、さらなる改善点を特定するのに役立つ。