
レポート
アジア太平洋地域のホテル・サステナビリティ・トレンド2019
グリーンビューとHorwath HTLが作成した「アジア太平洋サステナビリティ・トレンド2019」レポートは、アジア太平洋地域13カ国のホテル業界におけるサステナビリティ実践の詳細な概要を提供している。2,453軒のホテルのデータを掲載した本レポートは、エネルギーと水の使用量、コスト管理、持続可能性慣行の採用における同地域の進展に関する洞察を提供している。
重要な洞察
エネルギーと水の使用動向:
- オーストラリア、中国、マレーシア、シンガポール、タイを含む数カ国は、2017年と比較して2018年の1平方メートルあたりのエネルギー使用量の削減を報告した。
- インド、モルディブ、フィリピンは2016年以降、エネルギー使用量の継続的な削減を示している。
- 水の使用量の傾向はまちまちで、インドや中国のように水の使用量を減らした国もあれば、モルディブやタイのように2018年に水の使用量が増えた国もあった。
コスト管理:
- インドネシアは2015年以降、一貫して1平方メートルあたりのエネルギーコストを削減しており、全体で28.2%の削減となった。
- マレーシア、フィリピン、タイも、2018年のエネルギーコストが前年より削減されたと報告した。
- これとは対照的に、シンガポールは2018年、これまでの削減にもかかわらずエネルギーコストが上昇した。
一般的な持続可能性の実践の採用:
- エネルギー追跡は依然として最も一般的な慣行であり、この地域の99%のホテルがエネルギー消費量を追跡している。
- 予防保全プログラムは97%のホテルで実施されており、業務効率を確保し、機器の故障を減らしている。
- 水の追跡調査も普及しており、95%のホテルが水の使用量を定期的に監視している。
新たな革新的実践:
- この報告書では、エネルギー監査(49%の普及率)やカーボンフットプリントの測定(48%の普及率)といった新たな取り組みが注目されている。
- しかし、再生可能エネルギー発電やカーボンオフセット購入のような、より先進的な実践はまだ一般的ではなく、これらの実践を採用しているホテルはそれぞれ19%と12%に過ぎない。
地域差:
- モルディブとミャンマーは、持続可能性の実践において主導的な立場にあり、いくつかの主要分野ではほぼ100%の参加率を示している。
- 日本やフィリピンのような国では、節水や持続可能性認証といった慣行の採用率が低い。
同報告書によると、特にエネルギーと水管理における持続可能性の実践は大きく進展しているものの、アジア太平洋地域には、特に革新的な持続可能性ソリューションの導入において、まだ改善の余地がある。