レポート

アジア太平洋地域のホテルの持続可能性動向2021

アジア太平洋サステイナビリティ・トレンド2021」レポートは、アジア太平洋地域15カ国のホテル業界におけるサステイナビリティの実践を詳細に調査したものである。2,356のホテルから提供されたデータをもとに作成されたこの第6回年次報告書では、特にCOVID-19の流行という背景のもと、エネルギーと水の使用量の推移、コスト動向、持続可能性イニシアチブの採用について検証している。

重要な洞察

COVID-19がエネルギーと水の使用に与える影響:

  • パンデミック(世界的大流行)により、ホテルの操業が減少したため、地域全体のエネルギー消費量は大幅に減少した。しかし、規制が緩和されるにつれてエネルギー消費は回復の兆しを見せた。にもかかわらず、多くの国で2016年から2019年にかけてエネルギー使用量とコストが一貫して減少しており、消費削減への継続的な取り組みが示された。
  • 水使用量のトレンドは一貫しておらず、シンガポールやインドネシアのようにここ数年一貫して使用量を減らしている国もあれば、パンデミック期間中のホテルの運営状況によって変動が見られる国もあった。

温室効果ガス排出量とコスト:

  • 報告書では、エネルギー使用量の削減が、温室効果ガス排出量やエネルギーコストに与える影響がさまざまであることを強調している。例えば、消費量とコストの両方が削減された国もあれば、使用量は削減されたものの、エネルギー価格の上昇などの要因によりコストが増加した国もある。

サステナビリティの実践:

  • 持続可能性の実践は、地域によって大きく異なる。一般的な慣行としては、エネルギー追跡調査(99%のホテル)、室内スペースの75%以上にLED照明を設置(83%のホテル)などがある。しかし、カーボンオフセットの購入や再生可能エネルギー発電など、より革新的な実践はあまり普及していない。
  • 廃棄物管理には強い焦点が当てられており、82%のホテルが使い捨てプラスチックを排除する戦略を持っているが、廃棄物監査を行っているのは45%に過ぎない。

地域差:

  • モルディブとミャンマーは、LED照明やエネルギー追跡調査など、いくつかの主要分野でほぼ100%の参加率を示しており、持続可能性慣行の採用でリードしている。逆に、日本やフィリピンのような国では、節水や持続可能性認証のような慣行への参加率が低い。
  • 同報告書はまた、アジア太平洋地域のホテルは持続可能性対策を導入しているものの、特にグローバル・ベンチマークとの整合性や、より革新的な手法の導入において、改善の余地があると指摘している。

 

本レポートは、アジア太平洋地域のホテル業界全体における持続可能性の多様な進展を明らかにし、持続可能性への取り組み強化を目指すホテルにとって極めて重要なベンチマークを提供するものである。


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